フィーリング(装飾音符)というのは、流れるような感じに音を装飾する事です。
実際の長さはごく短く、32分音符くらい。
幅は半音から2半音(全音)といったところでしょう。
まず場所ですが、
ドレミファソ
の「ミ」を装飾してみる事にします。
(全部4分音符です)
全体の長さが変わってしまってはまずいので、ミかレを32分音符分削って入れなくてはなりません。
これがまたどっちを削るかでだいぶ聞こえ方が変わるので、両方試してみる事です。
どちらにしても4分音符を32分音符分削らなくてはいけません。
一番手っ取り早いのは
ド 音符32 レーーーーーーー 音符4 ミファソ
としておいて
ド 音符32 レーーーーーーレ# 音符4 ミファソ
という方法ですが、もうちょっとなんかいい方法ないのかな…という感じです。
そこでもうちょっとスマートなやり方。
SAKURAでは音符に対して足し算引き算が出来ます。
例えばレを32分音符分削ってフィーリングを足そう、と思った時は
ド レ4−32 レ#32 ミファソ
と、こう書けばいいですし、ミの方を削ろうと思ったら
ドレ レ#32 ミ4−32 ファソ
とすればOK。
注意して欲しいのは
レ−32
という風に書くと、SAKURAが「レのフラットを32分で鳴らせって言ってるのかな??」と勘違いしてしまいます。(マイナス記号は「フラット」という意味もあります)
音長指定を省略してても、ちゃんと「レ4−32」と書いてあげてください。
こうやって両方試してみて、前を削るか後ろを削るか決めましょう。
これでも「うーん、なんかちょっとイメージと違うなぁ…」と感じたら、そこはもうマニアックな世界。
にぎやかな曲では判らなかった違いも、静かな曲になると違いが判ってしまう事もあります。
そんなあなたに「オプション指定」。
実はこの装飾音符。
まだ工夫出来るんです。
さっきイメージ図では
このようになっていましたが、より厳密にすると
こんな感じ。
装飾した部分が
1.細くなっている(音量が小さい)
2.長い(次の音に食いこんでいる)
となっています。
1はその部分だけ音量を変えれば簡単に出来るので
音量127
ドレ4−32 音量90 レ#32 音量127 ミファソ
とすればOKですが、2の食い込ませるのはどうしましょう。
これには「余韻の長さを変えるコマンド」を使用します。
細かい事はゲートの項目に載っているのでそちらをご覧ください。
色々検討した結果、以下がパーフェクトな装飾音符となります。
音量127 ゲート99
ドレ4−32 音量90ゲート130 レ#32 音量127ゲート99 ミファソ
ずいぶんヤヤコシー形になってしまいました。
そこで「オプション指定」というものを使います。
オプション指定とは、音符の後ろへ色々付け足す事によって注文を細かくする方法。
上のリストと同じ事をするには以下のようにします。
音量127 ゲート99
ドレ4−32 レ#32,130,90 ミファソ
音符の長さに続き,ゲート,音量と指定出来ます。
これでちょっとスッキリしましたね。
全角だと長くてイヤ、という場合は半角で書いてもOKです。
やかましい曲ではさほど細かい部分は気にならないのでここまでしなくてもいいかもしれませんが、静かな曲で一つ一つの音が目立つ場合にはこういう地道な工夫が大きなポイントになってきます。(ノリノリな曲よりも静かな曲の方が打ち込みの技量が表れやすい訳ですね)
時には
ドレーーーーーミファーーー
のように、削りたいけど直前が「ーー」じゃん…という場合もあります。
そういう場合は休符の隠れ機能を使うとよいでしょう。
ドレーーーーー ん−32 レ#32 ミファーーー
休符(ん、ン、r )の後ろにマイナス○○と書くと、その長さだけ時間を巻き戻してくれます。
また「ー」は後ろに長さを指定する事も出来ます。
普段は音符○○などの設定に従っていますが、音符と同じように
ド2ー2ー4
と、長さを書けば書かれた長さ分だけ音を伸ばしてくれるのです。
勿論足し算・引き算も使えるので
ドレーーーーー4−32 レ#32 ミファーーー
というような事も出来ます。
色々なやり方がありますから、自分が一番使いやすいものを探してみるのもよいでしょう。