クレッシェンド・デクレッシェンド

これは楽譜でもよく見るやつですね。




割とよく使うやつなのですがストトンだとこれをやる為のコマンドがないので、MMLを挟んであげます。


ResetGM; r4
音色49 音量127

EP.T( 0, 127, !1 ) // クレッシェンド (フェードイン)
ドーーー
EP.T( 127, 0, !1 ) // デクレッシェンド (フェードアウト)
レーーー
EP( 127 ) // 元に戻す
ミーーー


EP
というのは「エクスプレッション」の略で、ボリュームの一種です。
シンセの内部には色々な音量を変える機能がついていてちょいとややこしいので、詳しい事は下のまめ知識に書いておきます。

半角で EP(??); とすると瞬間的に音量が変わるんですが、
.Tという文字を挟んであげると「じわじわと上げ下げ」してくれるようになります。

カッコの中の数字は3個でワンセットになっていて、

EP.T(始まりの音量,終わりの音量,!長さ)

という感じ。

音量は最小が0、最大が127、長さは○分音符です。

デクレッシェンド(やフェードアウト)のあとは自力で音量を戻してあげないと、
音が小さいまんまになってしまうので注意してください。



カッコの中の数字は3個でワンセット…と書きましたが、6個とか9個とかでもOKです。

ちょっとたってから変わり始めて欲しい…という場合には、127,127,!4 のようにわざと開始と終了を同じ数字にして「何もさせない期間」を作ってエフェクトが始まるタイミングを調整したりする事も出来ます。

EP.T( 127 , 127 , !4 , 127 , 0 , !1); // 4分音符分何もしないで、その後にデクレッシェンド




マメ知識

シンセサイザには、ベロシティ(ストトンだと「音量○○」)、ボリューム、エクスプレッション…と三つ音量操作機能がついていますが、それぞれは

ベロシティ 鍵盤を叩く強さを0〜127で指定。
弱く叩くと音色がこもったり、強く叩くと明るい音になったり、音色変化を伴う。 
音が引っ込んじゃって困った時はベロシティを上げて明るいハッキリした音にすると聞こえやすくなります

「ベロシティ」とは本来「速さ」という意味で、シンセサイザの鍵盤は押し込まれる「強さ」ではなく「速さ」をはかって強弱を調べている。
ボリューム 音の大きさを0〜127で指定。
単に音が大きくなったり小さくなったりするだけ。

エクスプレッションと全く同じ機能で、こちらは主にパート全体の音量を調節する為に使われる。
エクスプレッション 音の大きさを0〜127で指定。
単に音が大きくなったり小さくなったりするだけ。

ボリュームと全く同じ機能で、こちらは主にクレッシェンドやデクレッシェンドなどの部分的な演出に使われる。

という目的で使い分けられます。
SAKURAでは、

ストトン MML
ベロシティ 音量? v ?
ボリューム V (?)
エクスプレッション EP (?)

…と書きます。

以前はベロシティとボリュームの2つだけでわかりやすかったのですが、ボリュームを使ってクレッシェンドやデクレッシェンドをやってしまうと「パート全体の音量を上げ下げしたい」みたいな時不便です。一度打ってしまったボリュームコマンドの数値を全部変えなくてはならなくなってしまうからですね。

そこで後から出て来たのがエクスプレッション。


慣れない人から見れば3つもあるのはややこしいですが、細かい表現にこだわるようになるとなんとなくその意味が解ってもらえると思います。