スラー (レガート奏法)

楽譜などを見ながら打ち込んでいる人は時々お目にするかもしれませんが、




違う音程ってどうやってつなぐんだ??となると思います。

この記号は「なめらかに演奏せよ」という意味ですが、なめらかってどないやねん…といえば
次の音符の始まりがあまり目立たないようにするという事です。

SAKURAでは「&」という記号を使います。



例)
ドレミ&ファソ



こうすると、ミとファが滑らかに繋がります。



…とまあこの音で納得してもらえればそれでOKなのですが、実はそんなに簡単にはいかないのが世の常。

楽器の種類によって「どうすれば滑らかになるか」が違うからですね。
因みに今の「滑らか」は、


こんな感じ。

実は「スラー(レガート)」というのは本当に色々あって、一種類では様々な楽器のスラーを表現しきれません。中にはギターのように一つの楽器で様々な繋げ方をするものまであります。

そこでSAKURA(version2.00以降)では
4種類のスラーが選べるようになっています。これはその一種類目ですね。

種類を選ぶには、

Slur( ? )

という命令を使います。(半角)


多くの場合、トラックの頭へ書いておくだけで済むと思いますが、時には演奏中に色々切り替えて使いたくなる事もあるでしょう。

以下にその4種類を紹介します。






スラーモード0です。

スラーというよりグリッサンドやポルタメントといった奏法に近いかもしれません。
何も指定しないとこれになりますが、別のやつからこれへ戻す時は

Slur( 0 )

と書きます。このモードでは更に

Slur( 0 , 24 )

…とカンマで区切って2つ目の数字を書くと、斜めになっている部分の長さを自由に変える事が出来ます。

元々は12になっていて、32分音符と同じ長さです。
(24で16分音符、48で8分音符、96で4分音符ですね)

例ではプラス値なのでファの頭でピッチ変化が始まりますが、マイナスを指定するとミの終わりからピッチ変化が始まります。



またこのモードに限り
&&と2つ「&」を書くと少し特殊な動き方をさせる事が出来ます。
ドレミ&&ファソ、などと書くと


このようにミ全体の長さを使ってピッチシフトします。


モード0では開始音程から高さ±12半音(1オクターブ)まで、という制限がありますので気をつけてください。それを超えてしまうと自動的にスラーモード2になります。






スラーモード1。

徐々に上がり下がりするのではなく、瞬間的に音程が変わります。
音的には一番自然で聴きやすい&使いやすいものかもしれません。

このモードにするには半角で、

Slur( 1 )

と書きます。
このモードも0と同様、±12半音までという制限があります。





スラーモード2。

これがスラーの本家本元で、後ろの音へちょっとかぶさるタイプのものです。
このモードにするには半角で、

Slur( 2 )

と書きます。このモードでは更に

Slur( 2 , 120 )

…とカンマで区切って2つ目の数字を書くと、かぶさり具合(長さ)を自由に調整できます。

数字はパーセンテージで、100だと何もかぶらず、200だと倍の長さになります。
100%より短くする事も出来ますが、かぶるどころか短くなってしまうのであまり意味はありません。

ゲートと同じ扱いなので、原理はそちらの方で。

このモードには音程制限がありません。





スラーモード3。

別名アルペジオモードと呼ばれています。

アルペジオというのは「分散和音」の事で、「和音」というと普通は鍵盤2,3個をいっせーのせでバーンと鳴らすやつの事を言うのですが、ずらして(分散して)鳴らす場合はアルペジオと呼んで区別されます。

このモードにするには半角で
Slur( 3 )
と書きます。

このモードはミ&ファ&ソ・・・と「&」で繋いでいくと、どんどん音が重なっていくので「アルペジオモード」な訳ですが、はっきり言ってスラーとは全然違うものです。(笑)

しかしピアノやギターなどのアルペジオを打ち込むようになると、このモードがとても便利である事がきっとお分かりになると思います。

このモードも音程制限はありませんが、調子に乗って音を重ねすぎると同時発音数というシンセの限界を超えて、他のパートの音が消えてしまうような事もあるのでくれぐれも重ねすぎにはご注意を。(シンセの限界は全てのパートの合計で大体32音くらいです)

5〜6音くらいで一回切るか、
Slur( 3, 4 )
とカンマで区切って「何音まで重ねてよいか」というのを指定してあげるとよいでしょう。

本来は5音重なるところですが…