シンセサイザには実に様々な種類があります。
多くの場合パソコンに内蔵されているシンセサイザが使用されますが、これをGM音源、などと呼んでいます。
音源、というのは「音の源」と書きますから、音を出すものならなんでも「音源」と呼びます。(例:「向こうの方で鳴ってるサイレンは救急車が音源だな…」など)
本来シンセサイザを作るメーカーは、どんな音色を入れようが、どんな機能をつけようが、それは自由なので他のメーカーとの競争に打ち勝つべく色々な違いを出して工夫します。
しかしその「違い」が使う側にとって便利とは限りません。
例えばあなたが作った曲を人に聴かせる為にフロッピーで持っていったり、メールで送ったり、ホームページで公開したとしましょう。
しかしシンセサイザによって鳴る音色が変わってしまったら、メロディをフルートで作ったものがサックスになってしまったりする訳です。
自分の所で鳴らしてそれを録音するのなら特に問題はないでしょうが、オーディオデータはちょっと大きいので演奏データで受け渡しをしたいところです。しかしそれでは同じ音で鳴るかどうか解りません。
そこで、とあるシンセサイザ協会がある決まりとして
1.音色の種類を同じにしよう
2.音色や機能の並び順も同じにしよう
3.ある程度の機能の搭載を義務付けよう
という規格を打ち出しました。
これがGM規格です。
細かい内容は、
1.音色は127種類(音色番号の順序固定)
2.打楽器は約60種類
3.ボリューム、音の方向など約10種類の機能(機能番号固定)
となってて、この基準を満たしているものは
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このようなマークがついています。(略してGM)
パソコン内蔵やサウンドカードにはついてないので(…というよりつけられないでしょう)最近はあまり見かけなくなりましたが、鍵盤やボックス型音源には書いてあるものが多いです。
しかしメーカーによっては微妙に音色が違ったり、音色によって音量が大きかったり小さかったりするので、やっぱり完全に同じ曲にはなりません。
自分の使っているシンセのメーカーがわかる場合は、配布する時になるべく○○のシンセで作ったGMの曲ですと書いておくとよいでしょう。
聴いた人が「…あれ?ちょっと変だな…」と思っても、それは元からなのかシンセの違いによるものなのか判断しやすくなります。意見を交換する時や感想を書く時にも便利だと思います。
パソコン内蔵の場合は「音が鳴らない…」コーナーにシンセの種類の見方が書いてあります。
さてさて。音源の種類はこれだけに留まりません。
どのメーカーも「やっぱりGMだけじゃ不便だよな…」と感じたのか、我に続けと言わんばかりに独自の規格を打ち出しています。
有名なところはローランドのGS音源とヤマハのXG音源。
GSは、
こんなマーク。
XGは、
こんなマーク。
両方ともGM+αのような規格になってます。
1.音色は127種類 + 裏音色いっぱい
2.打楽器は約60種類 × 10セット前後
3.ボリューム、音の方向など約10種類 + 約20種類の機能
…はっきり言ってややこしいです。(笑)
ネット上にはGM用データ、GS用データ、XG用データと様々なものが現れるようになってしまいました。
勿論GSシンセやXGシンセにも色々な機種はあるのですが、さすがにGMよりは音色や音量のばらつきが少なく、そういう意味では便利です。
しかしやっぱりGSの曲データはXGでは鳴りませんし、XGのデータはGSで鳴りません。結果、ユーザーがぱっくり2つへ分かれてしまう事に。
そして、その2つを一緒にするべくGM2なるものも登場しました。
救いの手なのか、はたまた単に状況をひっかきまわすだけなのか、これから注目するべきところですが、少なくともこれで規格が4つになってしまいました。
さ、あなたはどれを選びます?(笑)