カノンの不可思議な構造
-- カノンの基本コードを四和音へ転回 --
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CM7 [T] | G7 [D] | Am7 [T] | Em7 [T,D][2Dm]
FM7 [SD] | CM7 [T][oct:-1] | Dm7/F [SD] | G7 [D]
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カノンはなぜ聞きやすいのか、簡単な解釈です。
ただし自論なので、あまり信憑性はありません、、
基本コードを、4和音転回すると分かりやすいのですが、ダイアトニックのみで構成されています。
でも、この順番がキーポイントになっています。つまり逆へもどるあり得ないことをしています。、
まず便宜上、2小節ごとに区切ります。
そして上記のコード表を見ると、なぜか最初は CM7[T] ->G7[D] と戻ってます。
普通のコードパターンでれば、[D] ->[T]です。
聞いている者にとっては、この曲はどこへ行くのだろうと不安になります。
この次に来る Am7[T] ->Em7[2Dm] は一見分かりづらいのですが、
マイナーダイアトニックの定型構造になってます。
つまり、[2Dm] ->[T] がひっくり返っている状態です。
あり得ないことを繰り返して、さらに緊張が増してゆきます。
この流れであれば FM7[SD] ->C7[2D]ないしはCm7[2Dm] を聞き手は予測します。
実際は流れとは違う、 oct:-1 と安定度の増した主和音の CM7 がきます。
いわばここでみな、「あれっなんだこれは、。」と夢から目が覚め始めます。
さらにたたみかけるように Dm7/F[SD] が出てきます。
コード方向性を決定する3度の音がボトムに移動した、強い音です。
あっ、ここはダイアトニックの安定した世界だ、と気付くわけです。
前回、交流掲示板に枯葉の構造を書いたときも思ったのですが、
名曲のコードは一つとして無駄がなく、非常によく考えられているとしみじみ感じます。